コラム

筋膜から美容を考える

そのエステ正しいですか?

美容液や乳液を毎日毎日頑張って塗っいませんか??
表皮・真皮というとても細かい人間の網目の壁に対して、分子サイズが大きいヒアルロン酸を通そうと毎日パンパンと顔に打ち付けていませんか?
それは皮膚の古くなった角質を水に濡らしてまた皮膚にくっける。その古い皮膚を使い続けるリサイクルを毎日行なっている作業です.

今日は, 筋膜との美容と理学療法について書きたいと思います。

最近, 美容と解剖学の関連についてエステティシャンの方や美容師さんの方々とディスカッションをしていくなかで、
あれ?っと思うことが有りました。


エステをしているのに体の不純物を循環させているものが分からない!?
美容師をしているのに頭皮の固くなる解剖学、組織学的な原因が分からない!?

解剖学的な理解を進めていくと美容の理解も深まります。
整形外科の分野でも患者さん自身が自分自身の問題を理解し,自分で自主トレや予防をすることで劇的に生活に変化が生まれます.


美容も同じです。「シミ」や「たるみ」は整形外科(運動器)分野の「痛み」と同様であくまでも症状は「結果」なのです.

解剖学的・運動学的な「シミ」や「たるみ」または「抜け毛」などの原因を追求し、それに対し生理学的な反応を引き出し、そして改善させることで「痛み」と同様に改善させることは可能です.

「エステ」ではなく「美容リハビリテーション」

「美容リハリハビリテーション」
=「美しい」+「容姿」+「Re:リ(再び)」+「habilitation:ハビリテーション(戻る・回復する)]

美容もリハビリです

 

美容とリハビリの関係

皆さんは、年齢を重ねていくうちに経験値が顔に示されていきます.
年取るのって嫌ですよね.筆者の私も最近膝が痛いです
しかし!!

皆さんは歳をとって「シワが増えてきたわ。」「シミが出来てきたわ。」などと思っていませんか?
原因は歳ではありません(いや、少し歳もあります。)
でも一番の問題は歳ではなく,顔の筋肉や皮膚の使いすぎ、使わなすぎが問題です。

美容の勉強をしている,筋膜調整のスペシャリストからいいますと、いわゆる【シワ】や【シミ】は怪我をして【痛い】のと同じです.
理学療法士の仕事をして、90歳でもシャキッと歩いているおばあちゃん.
また,10代で痛みを抱えながら生活をしている人いっぱい見てきました.

美容も同じなのです.
最近では美魔女などと言われ、美しい奥様がいっぱいいらっしゃいます.
また逆に、ほんとに高校生!?って思うほど社会に疲れ果てた顔をしている学生さんも多くいらっしゃいます.

そうなのです.美容は歳だけが影響していない.
あくまでも人の体は筋肉や神経,筋膜などの体組織でできています.
表情は表情筋が作ります.視力は毛様体筋というの筋力により調整されます。
内臓機能は内臓の平滑筋という筋肉により運動を行ない,それを自律神経により調節されます。

そして,体の不調は、Over uses(同じ部分の使いすぎ)機能不全(筋力低下や可動域低下、組織の萎縮など)または代償動作の積み重ねにより引き起こされます.

ですから,愛想笑をし続けてもシワができますし,ずっと無表情でいたら,口角も上がらなくなってしまいます.
紫外線を浴び続ければ,皮膚や脂肪や浅筋膜が固くなってしまいます.筋肉を使い続けても固くなってしまいます.
皮膚や脂肪や浅筋膜が固くなれば,その中にある,血管やリンパ,神経の循環不全が起こってしまい,不純物が滞ってしまったり,逃げ道を失い吹き出物が表面に出てきてしまったり,浮腫がでたり,してしまいます.

カンの良い方はわかりますね?カンが悪い方でもわかりますね?

だから、美容はリハビリなのです.
自分の体を正しく使って弱いとこを鍛え、硬いところを柔軟にし、体の循環(血液、リンパ、自律神経)を良くすることで
改善が可能です.

 

美容に受容な組織【浅筋膜】

筋膜の構造については以前【Fascial Labo.】で筋膜の種類を説明していたのですが,非常にざっくりだったのでもう少し説明します.

↑画像クリックで【Fascial Labo】へ

浅筋膜は皮膚,真皮に続く組織で,浅層皮膚支帯及び浅層脂肪組織と深層皮膚支帯及び深層脂肪組織の間にある膜であり,【脂肪】や【血管】【リンパ】を支持(固定)する膜組織です.浅筋膜の役割としては,浅筋膜よりも深部の層に対する皮膚の可動性を維持すること(要は筋肉と皮膚の間の滑走を促す働き)や血管や神経の保護,リンパドレナージ(リンパ循環),外からの刺激と中からの刺激の判断するための板として働いています.そのため,浅筋膜が固くなってしまうと,筋肉の痛みが皮膚の痛みだと勘違いをしてしまって,肌に炎症が起きてしまったり,シワやむくみが起きてしまったり,静脈瘤や血管性のだるさが起こったりしてしまいます.

 

だからこそ,【浅筋膜】やそれを取り囲む,脂肪が柔軟に動くことが重要になってきます.

脂肪や浅筋膜の動きが悪くなると,神経や血管,リンパの流れを悪くすることだけではなく,正しい情報が体の中(脳)につたわらなくなってしまいます.

そうすると,自律神経の乱れが起こり,間違った反応が体の外に現れてしまいます.

例えば,皮膚が赤くなってしまったり,むくみがなくならなかったり,体を守ろうと脂肪が増えてきちゃったり‥

よって,脂肪と浅筋膜の動きを良くすることは,自律神経の働きを助け,正しい情報を届けることが出来るようになります!

その結果,自律神経や内分泌器や消化器といった器官に正しい情報が入り

消化を助けたり,皮膚の循環を助けたり,リンパの流れが良くなったりします.

 

浅筋膜と脂肪のリハビリの仕方

浅筋膜の治療には,適切な圧と滑走が必要になります.

血行と浅い部分の神経の動きを促進して,体の自律神経の調節機能(通称:ホメオスタシス)の改善のために,身体内部のホルモンの生成と,脂肪や浅筋膜の動きを良くするためにFascia モビライゼーションを行ないます。

圧の強さは筋肉に達しない程度の優しい圧で,手のひらを均等に固くなった脂肪や皮膚の上に軽い圧を与えて,その圧を一定にしたまま皮膚や脂肪を動く範囲で動かします。まるで赤ちゃんのお腹を撫でるように優しく動かしてあげることが重要です.

あまり圧を強くしてしまうと,皮膚や脂肪に刺激が入ってしまい,その部分から炎症が起きてしまいます.

優しく入念に,固くなっている部分を動かすようにしてあげます.

 

まとめ

以上,筋膜から美容を考えるでした.長文をいかにまとめると!

①美容液を塗っているだけではだめ

②シワや肌荒れの原因は,脂肪と浅筋膜

③脂肪と浅筋膜は血管やリンパ,神経を包み込み,自律神経の調整を助ける

④美容リハビリは浅筋膜と脂肪を柔軟にする

 

Kazu
この記事を書いた人

《資格》 Advanced diploma of Physical Therapist (理学療法士:高度専門士) Certificated physical therapist in Orthopa ...

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